はじめに
お子さんが少しずつ成長し、「そろそろオムツを卒業させたいな」と考える時期になると、気になってくるのが“トイトレ(トイレトレーニング)”。
でも、「いつ始めたらいいの?」「うまくいかないときはどうすれば?」と悩む保護者の方も多いはず。
この記事では、保育園でたくさんの子どもたちと向き合ってきたベテラン保育士の立場から、トイトレの始め方やよくあるお悩みへのアドバイスを分かりやすくお伝えします。
トイトレ、始めるタイミングは“発達のサイン”が目印
トイトレを始める年齢には個人差があります。「2歳になったから」「〇月から」ではなく、お子さんの“発達のサイン”を見てあげましょう。以下のような様子が見られたら、スタートの合図です。
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排尿間隔が2時間以上あくようになった
- オムツが濡れていることに気づく
- トイレやパンツに興味を示す
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簡単な指示が理解できるようになった
これらのサインが複数揃っていれば、無理のない範囲で始めてみましょう。まだ整っていなければ、焦らなくて大丈夫。今は“土台作りの時期”です。
5つのステップで進める、基本のトイトレ法
ステップ1:トイレに親しむ
まずは“慣れること”から。補助便座を見せたり、絵本を読んだりして「トイレは怖くない場所」と教えてあげましょう。ぬいぐるみをトイレに連れていくのも効果的です。
ステップ2:トイレに座る習慣をつける
毎日同じタイミング(例:朝起きたとき・お風呂の前)でトイレに座るようにします。最初はオムツのままでOKです。トイレに座ること自体を習慣にしましょう。
ステップ3:布パンツに挑戦
濡れた感覚が分かる布製のパンツを使うと、自分の排泄に気づきやすくなります。汚れても叱らず「出たね!次はトイレに行ってみようか」と優しく声かけを。
ステップ4:成功体験を重ねる
一度でも成功したら、思いきり褒めてあげましょう。「できた!」の喜びが、自信とやる気につながります。ごほうびシールやスタンプカードもおすすめです。
ステップ5:外出先や夜間にも挑戦
日中安定してできるようになってから、外出先や夜間も少しずつチャレンジしていきます。ただし夜のおむつ外しは時間がかかる子も多いので、無理せず様子を見ながら。
トイトレの“あるあるお悩み”10選と対処法
1. トイレに座るのを嫌がります
→ 無理に座らせず、まずは「トイレに行くだけ」「座るだけ」でOKに。好きなキャラクターの便座や絵本を取り入れて、楽しいイメージを持たせましょう。
2. 成功しない日が続く
→ トイトレは一進一退が普通。出なくても「座れたね」「チャレンジできたね」と前向きな声かけを。小さな成功を重ねることが大事です。
3. 家ではうまくいかない
→ 保育園で成功していても、家では甘えが出ることがあります。「ここは安心できる場所なんだな」と受け止め、焦らず進めましょう。
4. トレーニングパンツを嫌がる
→ 好きなデザインのパンツを選んだり、一緒に買いに行ったりして“お気に入りのパンツ”を持たせるとモチベーションが上がります。
5. トイレに興味を持たない
→ 絵本や動画、ごっこ遊びを活用して自然に興味を持たせましょう。他の子の様子を見ると刺激を受けることもあります。
6. 失敗すると怒ってしまう
→ 大人にとっては“失敗”でも、子どもにとっては“練習中”。怒らず「大丈夫、次があるよ」と励ます方が成功が近づきます。
7. トイトレ中におしっこを我慢してしまう
→ 緊張や不安があると我慢してしまう子も。トイレに“安心できる空間”を作り、タイミングを見て声かけをしてあげましょう。
8. 外出中にトイレに行きたがらない
→ 事前に「トイレがある場所」を伝えたり、慣れた補助便座を持参すると安心します。失敗も想定して替えの着替えを準備しておくと親も安心です。
9. 一度できていたのに戻ってしまった
→ 引っ越しや赤ちゃん返り、環境の変化で一時的に後戻りすることもよくあります。休憩も成長のうち。無理せず再開できるタイミングを待ちましょう。
10. 周りの子と比べて落ち込む
→ トイトレの進み方は本当に個人差があります。比べるのではなく、「昨日より少しできたこと」に目を向けましょう。
トイトレは“子どもとの信頼関係”を深める時間
トイレトレーニングは、単なる“オムツはずし”ではありません。
子どもの「できた!」という小さな成功を一緒に喜び、励まし合う親子の大切な成長のプロセスです。
焦らず、比べず、子どもと一緒に楽しむ気持ちで取り組めば、きっと笑顔のゴールにたどりつけますよ。
保育士として、あなたとお子さんのトイトレがうまくいくことを心から応援しています!
あとがき:0歳からできる“トイトレの準備”という考え方
ここまで、トイトレの進め方とお悩みへの対処法をご紹介してきましたが、最後に、私自身が保育の現場で感じていることを少しだけお伝えさせてください。
トイトレと聞くと、「オムツを外すためのトレーニング」と考えがちですが、実はその“準備”はもっと早く、0歳のうちからできることがあると感じています。
たとえば、お座りが安定してきた頃から、オマルに座る習慣を少しずつ取り入れること。
特に、午睡後にオムツが濡れていなかったときなど、おしっこが溜まっていそうなタイミングでオムツを脱がせてオマルに座らせてみると、たまたまでも排泄できることが多く、それをほめると赤ちゃんも嬉しそうに笑ってくれるんです。
赤ちゃんは、大人が思う以上に「気持ちよかった」「褒められて嬉しい」といった体験をしっかり記憶します。そうして、トイレ=安心で心地よい場所と感じられるようになると、後々のトイトレがスムーズに進む土台にもなります。
また、長期間オムツで排泄していると、「オムツでする」ことが当たり前の習慣になります。それ自体は悪いことではありませんが、「これからはトイレでしてね」と言われたとき、急にやり方を変えるのは子どもにとってなかなか大変なこと。
だからこそ、小さい頃から少しずつ「トイレに座る」経験を積んでおくことは、将来のトイトレをラクに、そして親子にとって前向きなものにする近道になるのです。
“トイトレは0歳からでもできる”というより、“0歳からトイレに親しんでおくと、子どもも大人もずっと楽になる”というイメージで受け止めていただけたら嬉しいです。